今議会の決特質問のご報告も最後になってしまいました。環境局、港湾局、上下水道局、交通局それぞれに質問を作成し、行うのはなかなかにハードでした。ちなみに昨年は健康福祉委員会でしたが、健康福祉局、消防局、病院局関係の決算を審議しましたが、病院局だけできませんでした。その点、今年は所管局すべてに質問ができて良かったと思っております。
さて、今回は、主にバス路線についてです。実は平成28年度から武蔵小杉駅横須賀線口から井田病院までバスが直通で行くようになりました。元住吉駅どまりだったのが、小杉まで行くことが可能になったので、平成27年度との比較を明らかにする質問を行いました。実は決算とはいえ、全ての路線の集計が出るのは年末になるのですが、質問をすることによって、ICカードの利用実績を調査していただき、それを明らかにすることで、本路線のみ利用実態がわかりました。なんと、4倍以上の利用者増、であることがわかりました。詳しくは以下の質問・答弁のやりとりをご覧ください。
私からは平成28年度川崎市自動車運送事業会計決算書、1款1項自動車運送事業収益、営業収益、1款1項営業費用についてそれぞれ伺います。
まず、1款1項自動車運送事業収益、営業収益の乗合乗車料収益について伺います。乗合乗車料収益は77億8948万7073円となっています。「川崎市総合計画」第工1期実施計画 中間評価結果における施策「市バスの輸送サービスの充実」の中の「事務事業」の中に、「市バスネットワーク推進事業」が位置付けられています。「主な取組の実績」の中に、「井田病院へのアクセス向上」とあります。小杉駅東口から労災病院及び井田病院へのアクセス向上として系統を新設したとあり、その取り組みは、井田・明津地域から小杉駅周辺へのアクセス向上にもなっていると考えられます。本取組状況について伺います。
【答弁①】
市バス路線についての御質問でございますが、
本市の拠点駅である小杉駅の東口駅前広場整備や、沿線の東京丸子横浜線の拡幅整備などに伴い、道路走行環境が改善したことから、市バスでは、井田・明津地域と小杉駅間のアクセス向上を図るため、当該地域を運行するバス路線について、平成28年4月に見直しを行ったところでございます。
具体的な見直し内容につきましては、小杉駅から労災病院、井田病院へのアクセス向上として、杉01系統の小杉駅の乗り場を北口から東口に変更し、所要時分の短縮による運行本数の増回、横須賀線小杉駅から井田・明津地域を経由して蟹ヶ谷を結ぶ杉03系統の新設、元住吉止まりの系統を横須賀線小杉駅まで延伸するなど、小杉駅から井田・明津地域への運行本数は、合計で平日22回から56回と増回したところでございます。
小杉駅から井田・明津地域への運行本数は「合計で平日22回から56回と増回」とご答弁いただきました。地域住民の声としては、井田病院から元住吉までしか行かなかったバスが武蔵小杉東横線東口、JR武蔵小杉横須賀線口まで行けるようになったことについて、多少なりとも喜びの声も寄せられております。しかしながら、これは利用者の実感でありまして、果たして数字上はどうなのか、取組前後の効果について伺います。
【答弁②】
市バス路線についての御質問でございますが、
井田・明津地域と小杉駅周辺のアクセス向上の取組効果につきましては、平成28年4月のダイヤ改正前後に平日の朝6時から8時台まで、小杉駅東口及び横須賀線小杉駅の両駅のバス停留所において行った調査では、ダイヤ改正直前の平成28年3月末における当該時間帯の降車数は42人に対し、改正から約半年が経過した平成28年10月初旬の降車数は180人となっております。
また、料金箱で収受した実績を確認できるICカード、現金及び磁気式乗車券での乗車数の比較で、小杉駅から井田方面に向かうバスの乗車数は、平成28年3月の1か月間の計が2,700人に対し、1年後の平成29年3月は11,500人余となっております。
このように小杉駅東口及び横須賀線小杉駅と井田・蟹ヶ谷方面を結ぶバス利用者が増えていることから、井田・明津地域と小杉駅周辺とのアクセス向上が図られたものと考えております。
ありがとうございます。平成28年3月の合計が2700人、平成29年3月の合計が11500人ということは、小杉駅から井田方面に向かうバスの乗車数は、単純計算で、平成28年3月が1日当たり約90人に対し、1年後の平成29年3月は約370人ということになり、4倍以上の乗車数になったということですね。需要アップが明白なものになりました。
九州、四国、本州、北海道の全てに上陸した台風18号の影響で先日の9月18日、「元住吉」バス停から井田病院方面へ向かう市バスに乗りました。さすがに雨の影響で車内は満員状態でした。そこで要望ですが、井田病院方面へ向かう路線がある「元住吉」バス停留所は上屋がありません。傘をさしてバスを待つ方で長い行列ができていました。老若男女大勢の方が日々、本バス停留所を利用する為、雨の日でもコンパクトに並べ、かつ夏の暑い盛りにでも熱中症対策等になろうかと思いますので、ぜひとも上屋を設け、欲を言えばタブレット型運行情報表示器もつけていただければと思います。意見要望致します。
次に、第1款自動車運送事業収益、第1項営業費用の運輸管理費、委託料について伺います。委託料は16億5936万8004円を計上しています。
上平間営業所は平成27年度に続いて平成28年度も管理委託による運行を行い、また、平成29年3月26日から井田営業所を直営から委託に、菅生営業所を委託から直営に管理委託営業所を変更したとのことですが、これら営業所の委託化は経営基盤を充実・強化するにあたり、効果においてどのようなメリットがありますか伺います。
【答弁③】
営業所管理委託の効果についての御質問でございますが、
平成28年度につきましては、上平間営業所及び菅生営業所の2営業所で管理委託を行っております。
その効果額につきましては、市バスと受託事業者の労働条件が異なることや、ダイヤ改正の影響により、単純な比較は困難でございますが、仮に直営で運営した場合と比較いたしますと、上平間営業所については約4.2億円、菅生営業所については約1億円と試算しているところでございます。
今後の委託の効果といたしましては、平成29年3月に菅生営業所を委託から直営へ、井田営業所を直営から委託への変更により、委託規模が拡大し経営基盤の強化が図られます。また、鷲ヶ峰営業所に加え、菅生営業所が直営となり、北部地域における新たな輸送需要への対応の迅速性が向上いたします。さらに段階的に委託営業所の管轄路線の見直しにより、直営営業所に確保される車庫スペース等の経営資源を活用した、市バスネットワークの充実が図られることを見込んでおります。
只今、仮に直営で運営した場合、上平間営業所に約4.2億円、菅生営業所に約1億円の効果額が見込まれるとのご答弁でした。一概には言えませんが、約5.2億円が効果額だと。委託してなければ約5.2億が余分に必要だと言うことですね。人件費等、諸々を総じて考えると、純粋に支出が減ったとは言えませんが、引き続き管理委託の手法等で経営基盤の強化を図りながら、北部地域をはじめとする新たな輸送需要について迅速に取り組んでいただくことを要望します。勿論、中原区もよろしくお願い致します。
今後の取組に期待します。