決算審査特別委員会、環境分科会も最終日になりました。本日は、上下水道局と交通局の決算審査でした。総括質疑は今月29日です。
本投稿は、上下水道局に関する質問・答弁をご報告します。以下、詳細です。
中原区丸子地区の浸水対策からの〜、川崎区大師河原地区の浸水対策からの〜、ICT、IOTを用いた川崎アゼリア(地下街)の浸水状況表示についての内容となっております。台風シーズンの夏から秋にかけて、浸水対策は多くの方の関心事だと思います。よかったらご覧ください。
【末永】去る9月10日は下水道の日、市民の皆様に下水道事業への理解と関心を深めていただくことを目的に、「かわさき下水道フェア」をJR武蔵溝の口南北自由通路で開催されたとのことでお疲れ様でございました。「平成29年度川崎市小学生下水道作品コンクール受賞作品」もアゼリアの掲示コーナーで拝見しております。
そこで、私は下水道事業会計・第1款第1項の建設改良費について伺います。
平成28年度川崎市下水道事業会計決算書によると、建設改良費は、当初予算額181億500万円、決算額は158億9575万8298円となっています。
浸水対策事業はその中の18億9041万9千円が平成28年度決算額として計上されています。
はじめに、丸子地区の浸水対策について伺います。
「川崎市総合計画」第1期実施計画によると、浸水対策実施地区を丸子地区、宮崎地区、大師河原地区、馬絹地区、久末地区と5つの地区を定め、取組を行ってきたとのことです。とりわけ丸子地区での課題でありますが、中原区の浸水対策として、平成初期から江川・渋川雨水貯留管の整備が進められてきました。ようやく丸子地区の浸水対策も一部の残工事を除き完成し、この春から機能し始めたと伺っています。引用させていただきますが、本年7月には「大雨ゲリラ豪雨の新丸子。2年前までなら道路の冠水と店内への浸水におびえる勢いの振り方。でも幸い昨年に大通りの地下の大きな雨水管設置工事が終了したお陰で道路がクッキリと浮かび上がったままでありがたい」とのインターネット上での反響がありました。
最近では、局地的な集中豪雨が頻繁に発生していますが、丸子地区の浸水対策はどの程度の水準で整備されたのか、浸水被害を解消する仕組みはどのようになっているのか伺います。また、これまでに要した費用と、残工事を含めた総費用についても合わせて伺います。
【答弁(下水道管路課長)①】
丸子地区の浸水対策についての御質問でございますが、
はじめに、当該地区につきましては、多摩川とJR南武線、等々力緑地に囲まれた、武蔵小杉駅を含む約157ヘクタールの低平地を対象に、10年確率降雨、時間雨量58ミリの水準にグレードアップを図るとともに、本市の既往最大降雨である時間雨量92ミリの際にも、床上浸水とならない対策をしております。
次に、浸水対策の仕組みについてでございますが、中原街道から綱島街道にかけて、内径2,400ミリ、延長約1,800メートルの雨水幹線を布設し、この雨水幹線に約8,200立方メートルの雨水を貯留できる機能を持たせ、既存の下水管で排水しきれなくなった雨水を、地表にあふれる前にこの雨水幹線に導水し、貯留することで、浸水被害の軽減を図ることとしております。
次に、費用についてでございますが、丸子地区の浸水対策は、国の下水道浸水被害軽減総合事業に位置づけ整備をしておりまして、平成23年度の事業着手から平成28年度の決算までに、約27億5千万円を要しており、平成29年度の完成分を含めた総事業費は、約30億6千万円となる見込みでございます。
【末永】ありがとうございます。最近で言えば、多摩川の花火大会が中止となった集中豪雨の際にも、丸子地区は浸水しなかったようですので、確かな機能を発揮しているものと安心しています。
答弁によると約27億5千万円が平成28年度の決算までにかかり、総費用のうち、残りの約3億1千万円は、平成29年度の決算となるようですが、具体的な内容について伺います。
【答弁②】
丸子地区の浸水対策についての御質問でございますが、
平成29年度の決算見込みとなる、具体的な工事内容につきましては、浸水対策の効果をより高めるための、既存下水管のルート変更など、一部の管布設工のほか、工事の最終的な仕上げとなる、道路復旧や区画線の設置などが主な工事内容となっております。
【末永】
ありがとうございます。丸子地区の浸水対策を最後までしっかりとお願いします。
「川崎市総合計画」第1期実施計画 中間評価結果の、成果指標に「浸水対策実施率」が位置付けられておりまして、平成28年度の浸水対策実施率の目標値が57.8、実績値が57.6で達成率99.7%。平成29年度の目標値は57.8で、平成30年度には達成率100%を目指されるとのことですが、浸水対策重点化地区対象面積847haを達成するには大師河原地区が唯一残ることとなりますが、これまでの取組状況と、今後の予定、費用について伺います。
【答弁③】
大師河原地区の浸水対策についての御質問でございますが、
はじめに、当該地区は、多摩川沿いの京浜急行大師線、及び、市道殿町夜光線に沿った、約376ヘクタールの低平地を対象に、丸子地区と同様の整備水準で、国の下水道浸水被害軽減総合事業を活用し、浸水対策を推進しております。
具体的には、大師河原ポンプ場と入江崎水処理センターとの間に、浸水対策と合流式下水道の改善の2つの機能を兼ね備える、内径5,000ミリメートル、延長約2,060メートル、貯留量約3 5,600立方メートルの大師河原貯留管を築造するとともに、地区内の既存の雨水幹線などを活用し、浸水被害を軽減させるものでございます。
次に、これまでの取組状況についてでございますが、工事は平成20年度に着手し、平成27年度までに、トンネル部分が完成しており、平成28年度には、既存の雨水幹線を、大師河原貯留管と接続する工事が完了したところでございます。
現在は、大師河原ポンプ場、及び入江崎水処理センター内で、マンホールの築造や、揚水ポンプなどの機械・電気設備などの工事を進め、平成30年度に当該地区の浸水対策が全て完了する予定でございます。
次に、費用についてでございますが、平成30年度までの総事業費は約110億2千万円を予定しており、その内、平成28年度決算までに、約76億2千万円を要したところでございます。
【末永】次に、ICTやIoTを活用した浸水対策について伺います。今後とも効果的な浸水対策の取組を進めていただきたいと思っているところです。本年3月に公表された、上下水道ビジョン、新たな中期計画では、ICT、IoTを活用した浸水対策を進めることを公表していますが、具体的にどのような取組を進めるのか、期待される効果と、これまでの検討状況を合わせて伺います。
【答弁(下水道計画課長 )④】
ICT、lOT技術を活用した浸水対策の取り組み状況についてのご質問でございますが、
上下水道局では、最新のICT、lOT技術を活用し、既存施設の効果的な運用や、市民の自助を促すことにより、浸水被害を軽減する取組みを推進しています。
平成28年度の具体的な取り組みといたしましては、更新時期を迎えた既存の雨量レーダシステムに替えて、国土交通省の設置する最新型レーダシステムの導入を推進いたしました。
特に、渡田地区では、光ファイバー水位計を設置したことで、今後、より詳細な降雨観測情報に加え、下水管きょ内水位情報を得ることができるようになりますので、きめ細やかなポンプの運転管理などによる効果的な浸水対策が可能になるものと考えております。
また、自助を促す取り組みとして、川崎駅東口周辺地区におきましては、下水管きょ内に設置する水位計の水位情報をリアルタイムに収集し、非常時には、地下街利用者へ警報を出し、避難につなげる取り組みを検討しております。
具体的には、適切な水位計の設置位置の検討や、地下街周辺の下水管きょ内に仮設の水位計を設置し、水位の挙動の計測などを行ってまいりましたが、今後とも、運用開始に向けて、関係者と調整しながら検討を進めてまいります。
【末永】ありがとうございます。ぜひ、取組を推進していただき、アゼリア以外にも取組を拡げていただきたいと思います。また、アゼリア内のサンライト広場やハミングガーデン等目立つあたりに、緊急時の水位がわかるモニター等を設置いただければ市民の皆様にもよりわかりやすいのではないかと思いますので併せて要望します。(了)