こんにちは。末永直です。
本日、決算審査特別委員会、健康福祉分科会の消防局関係の審議が行われました。
私はまたまたトップバッターで質問させていただきました。
今回は、消防費の使い道などについて訊ねました。ざっくりと説明します。
人員、装備ふくめ消防団の充実は重要です。しかし、消防局には十分な予算が配分されているとは言えません。お金が足りず、苦しい中やりくりをしています。消防団においても同様であり、団員も足りず、入団する人も少ないから、各分団・班は金銭的にうまくやりくりして運営せざるを得ず、厳しい状況との声を多く聞きます。確かに消防局は広報面でもがんばっています。しかし、消防団に入ろうという意識づけがまだまだ課題です。ボランティアと言わればそれまでですが、それでも消防団入ってよかったという目に見えるものは必要なんじゃないですか
という問題提起をさせていただきました。
そんな中で、神奈川県議会議員の川本学先生が画期的な議会質問をしてくださったおかげで、
「消防団応援の店」制度が、今年の4月から神奈川全県下ではじまりました。
消防団員に「消防団員・家族カード」が配布され、本人と家族が加盟店舗を利用すると割引などのサービスが受けられるというものです。
川崎市でも昨年7月から同じような制度がはじまったのですが、いかんせん使い勝手が悪い。
消防団手帳を見せないとダメだし、賛同店舗も全区にないし、少ない。スケジュール帳ならともかく、サービスを受けるためだけに消防団手帳を携帯しませんよね。個人的には消防団のバッジなど消防団員であることを証明できるものを提示すればOKにしてほしいナ。
担当課長が答弁で、
「消防団員の皆様から御意見をいただきながら、より使いやすい制度となりますよう検討してまいります」
と答えていただいたので、よかったです。どんどん後押しをしていかねばと思います。
また、個人の装備品については、
「災害現場での安全を確保するために、防塵メガネ、防塵マスクを全団員に貸与していく予定」
と答えていただきました。ありがたいです。
年額報酬の値上げも訴えたのですが、昨年から今年にかけて1000円上がったので、難しかったです。それでも各分団でお金がないのは事実なので、あきらめずに訴え続けていこうと思います。
ほかに、MCA無線機の導入についても質問し、「平成29年度までに全消防団車両に装備完了予定」という良い答弁もいただきました。
詳細につきましては、以下に載せておりますので、お時間ある方はご覧ください。
末永 直
記
(末永)
それでは私は通告に従いまして、12款1項消防費について 一問一答で質問させていただきます。
先般、「熊本地震」被災地に、本年5月に同僚議員らとともに赴きました。現地負担にならないよう知人の熊本市議のみの案内で、被害の大きい熊本城や益城町、本市職員が派遣されていた避難所等を訪れました。東日本大震災後に策定された「広域・大規模災害時における指定都市市長会行動計画」が機能したことを確認できたことは大変意義深かったと思います。横浜市は独自に行政職員とセットで消防士を派遣しておりまして、支援物資運び等、諸々の作業を職員の助言のもと消防の経験者が迅速に動く、「頭」と「手足」の連携プレーがいかんなく発揮され、避難所の被災者の方々は非常に喜ばれたとの現地の声を聴きました。ノウハウと体力のある消防士は非常に重宝されるとのことです。同様に消防団員も地域を守る要として極めて重要な存在であるとのことで、再認識しました。
現在、本市では消防団員の確保のため各種施策を講じておりますが、平成27年度決算の中で消防団員入団促進事業実施委託料1,875,150円を支出しておりますが、支出した金額と実施内容について伺います。また、今年度の消防団員の入団に関する広報の取組みについて伺います。
(消防局)
消防団入団促進事業についてでございますが、消防団加入促進事業委託料1,875,150円は、「地方創生先行型交付金」の一部を充当し、消防団器具置場のシャッターへ広報ペイント委託分として972,000円を、川崎消防団第4分団、宮前消防団野川分団野川班、麻生消防団柿生分団黒川班の3器具置場に実施し、現在11の消防団器具置場にシャッター広報ペイントを施したところでございます。
また、入団促進イベント委託分として903,150円を、来場者等が多数見込まれます、大型商業施設の「ラゾーナ川崎」や、武蔵小杉駅前広場の「武蔵小杉コアパーク」において、消防団に関する広報ブースを設け、消防団の活動内容の紹介、団員募集などを実施したところでございます。
次に、今年度の入団に関する広報につきましては、現在までに、川崎市ホームページのバナー広告の掲載、川崎市消防音楽隊定期演奏会、川崎市消防団操法大会及び各地区消防団操法大会において広報活動を実施したところでございます。
また、今後につきましては、幸区役所及び川崎大師初詣での団員募集動画放映や、各地区消防出初式、消防フェア、火災予防広報イベント、区民祭、成人の集いなどで広報活動を予定しており、消防団員の入団促進につなげていきたいと考えております。
(末永)
ありがとうございます。
次に消防団員の処遇改善、装備品の充実に関して伺います。今ご答弁ありましたように、広報面では積極的な取組を行っているかと推察しますが、本市消防団員は条例定員1,345人に対し、本年4月1日現在で充足率は87% の1,177人と、168人も不足している現状であり、今後充足率を上げていく努力が必要だと考えます。今後益々の広報面における充実とともに、団員の待遇改善も大きな課題であると考えます。神奈川県議会の川本学県議が本年2月、本会議で 「消防団応援の店制度の導入」について質問され、団員やその家族が「かながわ消防団応援の店」で「消防団員・家族カード」を提示すれば割引等のサービスが行われる「消防団応援の店制度」が本年4月より全県下で始まりました。団員やその御家族含め、好評とのことです。
一方、本市は県に先駆けて平成27年7月より「川崎市消防団応援事業所制度」を導入し、商店街等の賛同店舗で「消防団手帳」を提示すれば割引等の独自のサービスが受けられますが、県と連携して消防団員を増やすためにも本市の取組をさらに推進して本市としても、存在感を出す必要があると考えます。私が感じるところの課題として、「消防団手帳」は常に携帯するにはなかなか不便です。神奈川県のようにカード等の持ち運びしやすい何らかの物に変更する等検討していただきたいと思いますが、本制度における本市の取組ならびに今後の活用方法について伺います。
また、消防団員の不足に伴い、(各分団において)財政難で運営が厳しい為、消防団員の年額報酬増等、処遇改善の声も多々聞いております。平成27年度に実施した消防団員の処遇改善ならびに装備品の充実について伺います。今年度の装備品の充実について併せて伺います。
(消防局)
消防団員の待遇についての御質問でございますが、
はじめに、神奈川県が実施しております「応援の店」について、本市の取組みについてでございますが、本市では、「川崎市消防団応援事業所制度」として、同様の制度を平成27年7月1日から神奈川県に先駆け運用したところでございます。
登録をいただいている事業所は、平成28年9月現在、27対象、51店舗となっており、今後は神奈川県と連携して登録事業所の拡大を図ってまいりたいと考えております。
また、今後の活用方法につきましては、応援事業所の登録表示証の掲出やサービス等を受ける場合の方法等について、消防団員の皆様から御意見をいただきながら、より使いやすい制度となりますよう検討してまいります。
次に、処遇改善及び装備品の充実についてでございますが、平成27年度に年額報酬を21,000円から22,000円へ引き上げ、また、装備品として、耐切創性手袋を全団員に貸与し個人装備品の充実を図ったところでございます。
今年度の個人装備品の充実といたしましては、災害現場での安全を確保するために、防塵メガネ、防塵マスクを全団員に貸与していく予定でございます。
(末永)
ありがとうございます。ただいま担当課長より「応援事業所の登録表示証の掲出やサービス等を受ける場合の方法等について、消防団員の皆様から御意見をいただきながら、より使いやすい制度となりますよう検討する」旨ご答弁いただきましたが、受け止めていただき感謝致します。消防団員の方々は、様々な御意見をお持ちでしょうから、御意見を聴きながら何らかの方策を講じていただきたいと要望致します。
次に、現在MCA無線機(マルチ・チャンネルアクセスラジオシステム)を消防団の器具置場や消防団車両に配備しておりますが、このMCA無線機を導入した経緯、配備状況、今後の計画について伺います。また、操作方法についても併せて伺います。
(消防局)
MCA無線機の導入経緯等についての御質問でございますが、
はじめに、MCA無線機の導入経緯についてでございますが、東日本大震災の教訓を活かし、大規模災害時には消防活動が広範囲にわたり、全活動団員へ迅速な指示、命令及び災害現場での情報収取体制を確保する必要があり、有効な通信手段として必要不可欠でありますことから導入したものでございます。
次に、配置状況についてでございますが、平成23年度に8消防団本部及び54消防団器具置場にすべて配置完了したところでございます。
また、消防団車両には、平成26年度から南部の臨港消防団から順次装備し、平成27年度には高津消防団車両6台のうち5台まで装備したところでございます。
今年度は残る高津消防団車両のほか宮前及び多摩消防団の全ての車両に装備し、平成29年度には麻生消防団車両に装備して、市内全54消防団車両に装備を完了する予定でございます。
次に操作方法についてでございますが、操作は簡易でありますが、多機能であるため、トランシーバーや簡易無線機と比較すると、習熟が必要となることから、今後もMCA無線機の取扱訓練を実施するとともに、イベント開催時や特別警備などで積極的に活用し、様々な機会を通じて操作方法の習熟を図ってまいりたいと考えております。
(末永)
ありがとうございます。将来起こるかもしれない大災害時にはおそらく携帯電話等は使用できなくなる可能性が高いと思われます。その際の情報伝達において、MCA無線機は必要不可欠です。市内全器具置場にはすでに配置完了しており、平成29年度中には市内全54消防団車両に装備完了予定とのことで敬意を表する次第です。しかしながら、MCA無線機が必要となる大地震等の大規模災害はもしかしたら、分科会を行っている「今、この瞬間」にも起きるかもしれません。首都直下型地震が起きる確率は今後30年以内に70%といった政府の予測や、過去2000年の統計によれば、三陸沖を震源地とするM8以上の巨大地震は過去に4例ありましたが、すべてその前後10年間に必ず関東地方で直下型の巨大地震が発生しているという歴史もあります。したがいまして、平成29年度になりましたら一刻も早く麻生消防団車両にMCA無線機を装備し、全消防車両に装備を完了していただきますよう要望します。
最後になりますが、局長はじめ(職員の)皆様の日頃の取組には心より敬意を表します。また、消防団団員の皆様におかれましても災害時に対応するため、日々訓練を積み重ねておられます。来るべき大災害にむけて一層の施策の充実等を行っていただければと思います。以上で私の質問を終わります。(了)